チーム「Link∞UP」は日本と北米の‘愉快で有益な’「マウンテンライフ」情報を日本と英語圏において共有をすること。 その生活を‘一生懸命楽しんでいる人達’のコネクション強化を図ることを目的に活動しています。 日本や北米でのマウンテンライフについて情報の欲しい方や私達に興味のある方はお気軽にご連絡下さい。

2016年10月25日火曜日

Vol.43 報告の秋

 どうも皆様日本では大変お世話になりました。山田トシです。まず最初に残念な報告をしなくてはいけません。前回リンクアップブログで題材にしたロックガイドの試験は力及ばず不合格でした。最大の原因はガイドとしてのトレーニング不足。特に試験コースの下見はもっと丁寧にしておくべきでした。結果を見たときは本当に落ち込みましたが、試験の雰囲気や自分のガイドとしての欠点も分かったので腐らずに来年の再試験に向けて頑張ります。
 さて前置きがまた長くなりました。今回のテーマは報告会です。忙しいハイキングガイドの季節が終わり、春に行ったワディントンの報告会をやっとすることができました。自分の中で長期登山は
1・しっかり準備すること
2・全力で登ること
3・無事に帰ってくること
4・登山結果を報告してみんなでシェアすること
が一連の流れだと思っています。その中で報告するということは自分が今後もっと良い登山をするための反省の機会を与えると共に、その成功や失敗を仲間と共有してそれを活かしてもらうこと。自分達の登山を形に残すこと。という意味でとても大切な部分となると思っています。
ですので、私の中のワディントン登山はつい先日ようやく終了し、次の目標へのスタートラインに立ったことになります。めでたしめでたし。で終わりではなく、今回はその内容を少しご紹介していきます。
上の写真は日本での報告会の前に『リンクアップイベント第一弾』としてメンバー(秋山、谷、山田)でカナダ・キャンモアにてスライドショーをした時の写真です。ロッキーのベテランの方からワーホリの子までアウトドア大好きっ子達が駆けつけてくれとても良い交流になりました。また開催するつもりですので今回来れなかった方も次回は参加してくださいね。

せっかく集まったのにインドアだけじゃ物足りないですよね。ということでスライドショーの前にやる気のある若者を集めてワークショップ(ボランティア講習会)を開催しました。退屈になりがちなこういった講習はエンターテインも重要ですね。流石、ACMGアルパインガイドの谷は技術的にもエンターテイン的にも教えるのが上手で僕も見習う点が多かった。写真はアンカーの構築風景。
別の日にヤムナスカでボルダーセッション。ロッキーの秋には陽の当たるエリアでのクライミングが最高。これにBBQなんかも絡めてボル肉セッションもやりたいですね。
 1年半ぶりに日本へ帰国してバタバタ。正味8日間の滞在中に親孝行をして友達とだべって歯医者行って東京へ行って挨拶周りをしてまた歯医者行って御在所でワークショップしてそして半日だけホームグラウンドの御在所でクライミングができました。写真(上)はズットン時代の友人。すっかりパパになってしまったけど中身は変わらんね。。。。
この夏ほとんど自分のクライミングができなかった鈍った身体に久しぶりの花崗岩は手強い。強いパートナーとクライミングをして良いモチベーションももらうことができました。 
 そして帰国前日に臨んだ東海支部での報告会。横浜や関西からも参加して頂きボブ菊池と二人で2時間しゃべり通しました。皆さんのいい笑顔で報告会は大成功だったというのが伝わりますかね(笑)。忙しい所足を運んでくれた皆様ありがとうございました。スライドショーを作成してくれたボブもお疲れ様でした。
 ロッキーに帰ると周りはすでにウィンターモード。ロックガイド試験を一緒に受けた友人と最近キャンモアの近くに開拓された「Drive」というドライツーリングエリアに行ってきました。 
規模は小さいですがアプローチも1分で足慣らしには丁度いい感じでした。これからガンガントレーニングして冬に備えます。
次回は子育て奮闘中のかずきさんです。お楽しみに!!
 おまけ。ワディントンスライドショーの前座として動画を作りました。報告会に来れなかった方はこれを見て雰囲気だけでも楽しんで下さい。ではでは〜。

2016年10月18日火曜日

Vol.42 ユーコン川旅行記②

さて皆さん、食欲の秋を楽しんでいますか?
朝晩の冷え込みは上着が欲しくなる今日この頃、富山の街中では紅葉はしていないながらも肌寒で秋を感じます。

早速ですがVol.35でユーコン川をカヌーで旅する前編を紹介しましたが、今回は待ちに待った後編をお送りします。
全8日間のカヌー旅の5日目からゴールまで、早いものでユーコンの旅も終わりに近づきます。
今回も当時の日記に基づいて書いていきます。
写真も多めに用意しましたよ。
ではスタート!


2013/8/1 Thu Day5

曇りのち晴れ。


朝食を済ませる頃、昨夜の愉快なおっちゃん達が出発するようなのでお見送りをする。
ユーコンを知り尽くしたガイドのようなおじさん、ムース料理をご馳走してれたぽっこりお腹の彼はエンジン付きボートを操る。良い旅を!
我々は少しのんびりしながら11時すぎに出港。


今日は20kmの行程なので漕がずにゆっくり進む。場所にもよるがユーコンの流速は10km/hほどという情報があって、計算ではボートに乗っているだけで今日の行程は2時間で終わる。
天気が良くなり心地よい川下りだ、流れもほどほどあって気持ちが良い。
途中、休憩で寄ったログキャビンには酒瓶が大量にあった。いつの時代も旅に酒は付き物だということだ、特にゆったりした川下りでは格別ですね。

疲れたら日向ぼっこしたりと優雅に川を下り、14時くらいには地図上のgood sandy campに到着、我々だけのようで雰囲気もいい。名前の通り歩きやすい砂地の場所だ。


テントを張る、食事、トイレ、焚き火、それぞれの場所を探しながら散策するとムース、クマ、ビーバーの足跡があった!
ムースは昨夜食べたが大型の鹿でヘラジカとも言われている。
クマはブラックベアーと思われる、やはりテント場と食事をする場所は距離を離した方が安心して眠れそうだ。



雨が降ってきたのでテントへ、しばらく休んでから飲み水を準備をする。今回は持参した飲料水がなくなったら川の水を煮沸して使用することにしている、ただ飲料用については持参した浄水器で処理したものにした。煮沸すれば問題ないらしいが、今回の場所のように砂が混じるとあまりいい気分ではない。

日が高いうちに水浴び、そして洗濯、水温は気持ちいいくらいの冷たさだが日が陰ると寒いので太陽が出ている時を選んだ方が無難です。



21時ごろから釣りをしてみたが小さいのが一匹、これはリリースした。



薄暗くなってくるとフクロウらしい鳴き声が聞こえ始めキャンプファイヤー開始だ。
もちろん酒盛りスタート、いつまでも薄明るいので0時すぎにカヌーを漕ぐツワモノもいた。
森から聞こえる動物の声と川の音をBGMに目を閉じる。



8/2 Fri Day6

晴れ。
朝になるとテントの近くに新たな足跡、辿ってみたが主には会えず。

11時ごろに出発、今日は長く漕ぎます。と言いながらも漕ぐ手を止めて釣り糸を垂らす。

Little Salmonという村に着き上陸、ここには高速が通っていてオートキャンプ場があった。少し歩いて昔の村の跡らしきものを見学してからキャンプ地へ。
時間があれば寄れそうなところはたくさんあります、この辺りからは車が走る道が近くにあり日常の世界が迫っています。


今日のキャンプ地は、なかなか雰囲気が良かった。川に近い位置にファイヤーピットを整備して、たき火&夕食。


ここで少し食事の話をしておきましょう。基本的にボートなのでかなり持っていけます。
冷やす必要があるものはクーラーボックスが冷えている2日目まででした、生肉とか。
我々が持って行ったのは、自宅で簡単ご飯ができるインスタントフードです。
これ便利です、パスタや生米やソーセージなどを追加してボリュームアップ。
我々が好きだったのが2つあって、Uncle Ben'sとKnorr。アンクルベンもクノールもどちらも数種の味付け、パスタと米の選択ができて飽きません。たまにハズレの味もあるので注意!!

そして朝食で使っていたマッシュポテト、乾燥のもので便利ですが味がないのでお好みでどうぞ。


食後にのんびり川を眺めていると
対岸からのニャーという鳴き声、双眼鏡で観察してみるとLinxのようです。
ヤマネコ観察後に釣り、今日は釣れず。
酒を片手に日が暮れるのを眺めて過ごす、6日目が終わる。 


8/3 Sat Day7

晴れ時々曇り、風は強い。
朝食のマッシュポテトをいただき、ゆっくり目の時間に出発。

途中で舵取りを交代しながら進む。2人乗りカヌーでは後ろが舵取り、前がエンジンのような感じです。流れがあれば漕がなくてもたまに舵取りしていれば快適に進みます。


再度交代後にキャンプ地へ、目的のキャンプ地good campがわからず下流のfair campへ。
地図を見ながら探すが川岸が削られ崖のようになっていると上がり口を見落としてしまいます。特に川幅が広い場所では早めにキャンプ地がある側へ向かう必要があります。

14時半くらいに到着、テント設営後に軽食を取り釣りへ。まったく釣れず。


20時ごろ、別パーティーが上陸。久しぶりに賑やかである。
2家族、子ども連れ。子供達は森を駆け回り夜まで元気です。どこの国も同じね!



この旅で最後のキャンプなのでファイヤーは盛大に、そして我々だけではないので賑やかに夜は更けていきました。


8/4 Sun Day8 最終日

小雨の朝。
ツェルトの中で朝食、食後には雨が上がり我々は出発。
子供達は朝から元気、地元の家族でした。



まったりゆっくり最終日の漕ぎを楽しむ。13時前にはゴール地点であるカーマックスのキャンプ場に上陸。
約320km、7泊8日の旅。ありがとうYukon。そしてパートナーである妻に感謝。


スタート地まで運んでくれる車が19時にならないと来ないと言われ、5時間ほど待つことにした。川の駅、道の駅、キャンプ場になっていてバーガーを食べて、久しぶりのシャワーを浴びたりしながら待つ。
ここからさらに下っていく人もいる、ドーソンシティーを目指す補給地でもある。



ピックアップのおっちゃんが到着、風貌に怪しさがあったが、優しい彼の運転で2時間半でホワイトホースに戻りました。
日曜なので店がやってなくてウロウロ、ボストンピザに入り遅めの夕食と旅の打ち上げにビールをいただく。

久しぶりの我が家に戻りホッと一息。やっぱり家が1番、移動可能な我が家はWalmartの駐車場にありました。
最後にユーコン川下りをして感じた持ち物について触れて終わりたいと思います。
カヌー関連、キャンプ用品はレンタルもできるので、それ以外で持っていくならという物たちです。手斧、折りたたみノコギリ、釣り具、双眼鏡、浄水器、そしてあり余るほどの酒。我々は酒がだいぶ不足、斧とノコギリがあると焚き火が楽にできます。それとよく蚊が多かったでしょ?と聞かれましたがこの1週間、ほとんど問題ありませんでした。念のために蚊取り線香はあった方がいいですね。


是非、行ってみて下さい。いいところです。
翌日、アラスカへ向かいました。
おしまい。