チーム「Link∞UP」は日本と北米の‘愉快で有益な’「マウンテンライフ」情報を日本と英語圏において共有をすること。 その生活を‘一生懸命楽しんでいる人達’のコネクション強化を図ることを目的に活動しています。 日本や北米でのマウンテンライフについて情報の欲しい方や私達に興味のある方はお気軽にご連絡下さい。

2017年8月30日水曜日

Vol.87 夏の遊び 沢登り!

こんにちは。星野です。

日本には沢屋と言う人種がいて、沢登りが好きで好きでたまらない人の事を言います。沢登とは、簡単に言えば沢を登り山の頂上を目指すものなのですが、途中川を泳いだり滝を登ったりと、数々の難関を乗り越える総合力を必要とする、とても楽しい遊びです。しかも沢登りは、日本独自の遊びの様で、海外で沢と言えばキャニオリングと言う遊びがありますが、内容は沢を下って楽しむもので、登って楽しむものではありません。日本の夏の暑い気候や、急峻で深い沢地形がこの様な遊びを作りだしたのかもしれません。

僕は、新潟県の南魚沼市で産まれたので、子供の頃、夏の遊びと言えば友達とチャリ漕いで、越後駒ヶ岳から流れ出る水無川に行き、焚火して、魚獲って焼いて食べて、岩に登っては飛び込んだりして、沢で遊ぶのは日常でした。あそこの川の水は夏でもめちゃめちゃ冷たかった記憶がありますが、夏休みにほぼ毎日通うくらい楽しかったです。要するに沢無しでは日本の夏を乗り越えられないって事です!?

ってな訳で、先日沢登に行ってきました!


今回行った沢はニセイカウシュッペ山の、ニセイノシキオマップ川。通称「天国の階段」と言われている沢で、場所は北大雪エリアです。ガスってる時の沢中はなんとも怪しい雰囲気。

8月中旬でも残っている雪渓。日が当たらない沢の深さが伺えます。

そして現れる小滝。ホールドはいいので難しくはないですが、濡れてますので気は抜けません。





























これが噂の天国の階段。階段状の岩場が続きます。ここは特にヌッルヌルでした。滑ったらやばい~!しかし、ここまで苦労して登ってきて、階段を転げ落ちる訳にはいきません!集中!集中!

























危なそうな所ではもちろんロープを出します。岩尾根や岩壁などのバリエーションルートがあまりない北海道の山ですが、沢に入れば、そこはバリエーションルートパラダイス。様々な登攀が楽しめます。































源頭付近にはまだ花も咲いていました。






















今回も無事に頂上に着く事が出来ました~!!






















そして下りは、沢に付きものの藪漕ぎ。。。これも日本ならではか?















今回は山行にカメラを忘れてしまい、この投稿で載せている写真は全て一緒に行った友達
から貰ったものです。写真いっぱい撮ってくれてありがと~!!

今回の一枚です。
ペルーのHuarazから南に70km。Hatun Machayと言うスポーツクライミングとボルダリングが出来るエリアです。家畜の放牧地の中に大小様々、グレードも様々な岩が立っています。岩質は溶岩。なんと言っても、このエリアの標高は4300mあり、こんな高所でスポーツクライミング出来る場所あんまりないのではないでしょうか?パンプするのが早かった様な気がしました!

2017年8月22日火曜日

Vol.86 白馬は夏も素晴らしかった

こんにちは、イクメンです。
私はかつて仕事を辞めた後、2シーズンだけ冬の白馬で暮らした私ですが、これまで夏はほぼノーマークでした。白馬三山の縦走くらいはしているのですが、生活圏になっている里の様子などは全く知らず、今回家族旅行を絡めて初めて夏の白馬を訪れました。


一枚目の写真は姫川源流です。姫川はここから糸魚川市を流れ、日本海へ注ぐ一級河川なのですが、「川の源流がこれほど明確になっている所も全国的にめずらしい」そうです。名水百選にも選ばれており、冷たく、最高に澄んだお水が頂けます。ちなみに以前冬に来た時は、どこにあるかもわからずに敗退しました。夏に来ても駐車場がわかりにくく、オンサイトは難し目です。


こちらは「大出(おおいで)の吊橋」付近の水路。後立山から流れ出る水がとめどなく流れています。豊かな水と苔むした道祖神が自然と人の営みを象徴しているように感じられました。夏の白馬も素晴らしいです。


ちなみに、今回は家族旅行で参りました。前回申し上げましたが、私は既に夏と秋を諦めました。この間はなるべく山に登らず、家庭内ポイントとルサンチマンをたっぷりと貯めこみ、それらを冬のシーズンに解き放つのです。いわば家庭第一主義。メイク・ホーム・グレイト・アゲインです。


故にこのようなスイートスポットを訪れることも忘れません。こちら花彩は冬にも八方南面を滑った後は毎回寄らせて頂くのですが、辺鄙なところにあるのに夏も大人気でした。安くて美味い!実質丸2日間滞在しましたが、2日とも参りました。


甘すぎるので息子には自重してもらいましたが、いつになく鋭い眼光でこちらを睨んでおりました。こちらもルサンチマンが溜まって…いないことを祈ります。


宿は岩岳にあるロッジを利用しました。岩岳周辺もやはり清流があり、沿道を彩る花や古民家が美しい良い所でした。このあたりはモノトーンの冬に来るよりも趣があるように思います。上の写真は宿にあった白馬の歴史を物語る本です。里は変われど山は変わりません。


1935年!山スキーの歴史も古いですね。


こちらは八方尾根上部。


装備は大きく進歩しましたが、やっていることは今も昔もあまり変わらないのかも知れません。


場面は変わりまして、こちらは泊まっている後立山の対面に位置する青鬼集落です。天気が良ければ雲のあたりに後立山が見れるのですが、今回の白馬滞在中には一度も望めませんでした。


白川郷のように茅葺きとはいきませんが、白馬周辺の集落も古民家が残り、なかなかに趣深い風景を残してくれています。


その後白馬を離れた私は、妻と義母にマイカーと幼子を託し、葛温泉から縦走路につきました。義母が「あの子は山ヤだ。解き放て」と言ってくれたかどうかはわかりません。

しかし、妻とその母の組み合わせは最強で、子育てにおいて高い親和性を発揮します。そのような場面において父親は役に立たないというよりも、むしろ邪魔でしかなく、必要のない存在と言えます。

イクメンは現代社会において、母親のみに育児負担が偏らないための手段であり、不足がちな母性のオルタナティブに過ぎません。つまり、オルト母性。周りに子育ての負担を分散してくれる別の母性がいる場合、父性は解放され、野に向かうべきなのです。子育ての初期段階における父性の活躍は極めて限定的かつ微弱なものであり、これからもう少し役立つことはあるとしても、今は、今はやはり山で有効活用されるべきなのです。


こちらは先日たまたま家にあった本を並べて撮ったものです。どちらが母でどちらが父かは一目瞭然です。

子育てにおいて、私が一番舌を巻くのは、母親の子供に対する共感能力の高さです。
例えば、おむつ替え。私は赤子がおむつに多少の小便を漏らしていても、もう少し貯留してから、まとめて替えればいいだろうなどと考えてしまいます。小便をしていることに気づかないことや、そもそも「オムツは定期的に替えるものだ」ということすら忘れてしまっていることがあります。

妻にとっては論外でしょう。少しの小便を見つけただけで(紙オムツには尿に反応して色が変わる線がある)オムツかぶれを心配して、替えてあげます。蒸れに対しても敏感で、紙おむつだと蒸れて肌によくないから、できるだけおまるや布おむつを使ってあげようと気を遣います。私としては、洗わなくてよく、吸水性が高い、よって替える頻度が低い紙おむつ一択なのですが…。

このあたりはもしかすると母性と父性の違いというより、人間としての思いやりの有無のようにも思えてきたので、これ以上考えるのをやめます。


こちらは宿にあったマンガです。よく主人公に似ていると言われるので少し読んでみたのですが、顎以外は全くの別物でした。


さておき、いずれにしても私は、義母様のおかげで旅発つことができました。


それが登山道であれ、やはり刻々と変わる目の前の景色、その時期にしか見られない動植物に出合う時間は貴重なのです。


そして、最終日には白馬三山を裏側から遠望することができました。


このようにして私の夏山は始まり、終わりを迎えました。再び雪が降り、野に放たれるのを心待ちにしながら、もうしばらくイクメンぶります。

2017年8月15日火曜日

Vol.85 充実したクライミング



こんにちは。今回は山田トシがブログを担当いたします。今年のロッキーは20年に一度と言われているブリティッシュコロンビア側の山火事の影響で、ロッキー中を煙が包み込んでしまい中々厳しいガイディングに奮闘しております。しかし、どんな状況でもポジティブ精神の私は問題ありませんがね。
 まあそんな仕事の話はさて置き、楽しいクライミングの話に戻りましょう。今回はこの夏に自分が満足できたクライミングについて書きたい思います。
 今年はスポーツクライミングでグレードを追求!!なんて思いながらもいつも心の中には大きな壁を登ってそのてっぺんに立ちたいという欲求みたいなものがあり、しかも忙しいハイキングシーズンに、ガイドトレーニング、と同時進行でやらなくてはいけないこともあっていつも充実したスケジューリングになってしまいます。
 写真はそんな合間を縫って登ることができたリムウォール西壁(赤線が登攀ライン)です。この壁はカルガリーからキャンモアに向かう途中にハイウェイ沿いに見えている壁で、いつも運転しながら登りたいと思っていた壁でした。

リムウォール西壁には現在4本のルートが引かれていますが、その中でチョイスしたのがまだ数年前に拓かれたばかりの「Murder by Number 5.11, 450m」です。ルートの初登はロッキーのアルパインクライミングの第一人者の一人であるRaphael Slawinski。彼が山に拓くラインはナチュラルプロテクションをメインにした合理的なラインが多くクリーンで美しいクライミングをすることができます。摂理が乏しいロッキーの石灰岩の壁にこういうラインを引くことができる彼のクライミングセンスと経験にはいつも尊敬してしまいます。

 写真は2ピッチ目をリードしている私(上)とフォローしているパートナー(下)です。大きな壁を登る場合、ある程度のランナウトは許容しなくてはなりません。グレードが10-といえど集中力が試されるクライミングを強いられました。

3p目は小指位のクラック(割れ目)が走った狭いコーナーを登ります。自分が初登していてこんなクラックが壁に出てきたら思わず笑みがこぼれるでしょうね。

60mの大トラバースピッチ。実は写真中央付近にパートナーが写ってます。大きな壁を登るうえでトラバースパートは必ず出てきます。高度感があって気持ちいいクライミング。

何故クライミングをするのか?そこから見える景色がどんな有名な観光地よりも美しいからと答えても嘘ではない景色が広がっています。いつも見ている山や空や大地も自分の満たされた心と普段見ることのできない角度から見る景色は言葉にできないほど美しく心に染みます。写真はウィンドタワーとマウントロヒ―ド(奥)。




頂上を目指してパートナーと交互に登り、頂上を目指します。あるピッチでは大きなフェースに行く手を阻まれ、浅効きの0.4キャメロットから5メートル横にランナウトして10+のフェースムーブをこなさなくてはなりませんでした。5回以上行ったり来たりムーブを探り、2時間以上粘った末に何とか突破することができました。その後に続く11のピッチもこの粘りのクライミングのお陰かオンサイトすることもできて、チームオンサイトで素晴らしいルートを最高のスタイルで完登することができたのでした。

トップアウトした途端、ロッキーの夏特有の雹と雷の祝福があり、逃げるように下山しました。車から車で16時間の充実したクライミングでした。

ここからは充実したクライミング番外編です。モレーンレイクという観光地へ行く間に見えるマウントバベル西壁(11d、670m)(赤線が登攀ライン)です。こちらは1960年代に初登された大クラシックルートです。昔の人はほんと命かけて登ってますね。今年の夏の目標にしていた山でしたが、壁全体がボロボロで時間がかかってしまい、敗退しました。

壁の標高差600mを超える大物なので日の出と共に取り付く予定でしたが、アプローチにも難儀させられ時間を食ってしまいました。写真は取りつき手前から撮ったバベル西壁です。

見るからにボロイ。。。パートナーと今まで登った中でワーストの壁という意見で一致しました。

かなりヤバイ下部の核心(ボロボロの壁をキャメの00番で5.10のフェースムーブ)は超えたものの、このままではビバークはほぼ確実のため敗退を決定しました。


 大きな壁では敗退することも良い経験になります。今回はまだ下部だったのでとてもスムーズに敗退することができました。今回でこの壁の情報や下部の状態も知ることができたので次は完登できるでしょう。パートナーは壁がボロイからあんまり乗り気はしないみたいだけど。。
 結果は敗退でも自分が登りたいと思っていた山に挑戦して、今できるクライミングをできたので過程としては充実していたなと思える日でした。
 写真は敗退中に見たコンソレーションレイクス。いつも見慣れた湖も上から見ると全く違う色に見えるのが氷河湖の不思議ですね。

2017年8月8日火曜日

Vol.84 夏の過ごし方

こんにちは、劔村です。
8月に入り立秋を迎えたというのに夏本番という感じで熱帯夜、猛暑日を繰り返しています。
ここ富山もようやく梅雨が明け、子供達は夏休みを満喫していることでしょう。
昨夜から今朝にかけて富山を直撃し通過したノロノロ台風の影響で大雨になっています、ノロノロの影響で各地で大きな被害が出ているようです。今後の進路に注意したいですね、東北から北海道方面が心配です。

さて私はというと農作業が一旦ピークを越えて、お盆あたりからの収穫に向けて夏休みをいただいておりました。ここ最近の活動はカヤック、ハイキング、キャニオニングなどなどです。残念ながら福井県にお邪魔した際に防水カメラを忘れてしまいましたのでキャニオニングについては、別の機会に紹介しますのでお楽しみに。

今回のメインはハイキング、7月30日に富山県と岐阜県の県境に位置する白木峰という山へ行ってきました。標高1,596mで林道が1,300m付近まで続いているので車でアプローチするとあっという間に高原にたどり着けます。車道の終点からは、やや急登なっていますが写真を撮りながらのんびり歩いても40分ほどで頂上に立てました。急登エリアにはブナ林があって木漏れ日が美しいです。

目的の一つがニッコウキスゲを見ることだったのですが、見頃を過ぎていたためチラホラでしたが、他の品種の花々を楽しめてたので満足な山旅でした。山頂周辺には草原が広がっていて木道が整備されているので歩きやすく、心地よい風が抜けて過ごしやすかったですね。








ゆっくりと入山してからゆっくり2時間ほど散策して動植物を観察してきましたが、一面に咲き乱れるニッコウキスゲを楽しみにまた来年も訪れたいです。


場所が一気に変わりましたが、先日仲間が活動している福井へ小旅行してきました。越前海岸に沈む夕日を眺めのんびりしてきました。山遊び川遊び、そして海遊びと上流から下流まで変化に富んでいて素晴らしい。

最後になりましたが、新しい乗り物を手に入れました。体幹が鍛えられバランスが良くなりそうな予感がします、怪我しない程度にオッさんスケーターは練習します。